花宴 花よ舞い散る夢よ泡沫の宴(えん)よ線の月なぞりつつ唄を乗せるくちびる噫、先を愁うまなざし浮かぶ白露間々問いを闇に訊ねど返る声の姿なく溢るこころ持て余して銀の尖(さき)とあそぶ花よ舞い散る夢と泡沫の宴、踊りましょ宵は千代に狂い咲く嵐になれいざや散るを惜しまず雲隠れの月影闇はおもく揺蕩う然(そ)う、澱みながら廻れるいのちの様に間々雨花の誘うなみだに暮れて惑い沈んでは灼けるこころ乱れるまま寂びた花をさいた今宵降り頻く雨と刹那の調べ、奏でましょ恋は沫(あわ)と消ゆるなら破(わ)れてもいい盃に花びらひとつたまゆらに踊りひるがえる銀の尖夢を刺し貫いて胸を焦がすは炎さらば咲き満つ春の面影の水(みな)、掬びましょ恋の頚を括らなば姿は尚も恋しいまま花宴に舞う散りて君と逢いたい PR