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あなたのいのちのはなむけに

散りゆく春のおもいでに
あなたの手に降る花びらを
きっとうつくしい記憶に遺して
眺めるでしょう

流れる夏に手を振って
陽炎はうつせみを(いだ)
どうか夕暮れには少しだけ
偲ばせてほしい

あなたのいのちの傍で
生きていたかった
見送る灯籠はやがて海に出る

去りゆく秋の形見には
あなたの髪留めの紅葉
いつか嫋やかな花の匂いを
思い返すでしょう

静まる冬の名残のよう
季節外れに降る雪を
あなたと見上げたあの丘で
今はひとりきり

あなたのいのちの傍で
やすらぎを知った
灯した蝋燭はやがて風に消ゆ

あなたのいのちのはなむけに
私は何を返せるでしょう
いとしい人
あなたと生きた軌跡を辿りながら
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