うつろ 悲しくなりたくないのに胸の穴は広がっていく理由は知っていた気がして否定と自棄に投げ出す躰ひとつ落ちた黒いインクがどうしても落としきれない白は既に灰になっているそれでも黒は染みていく愛されて束の間に夢を見るそれはしあわせなのかしら遠ざかるぬくもりに塞いでいくこころに気付いているのに躰は熱さで虚(うつ)に喘ぐ涙も出ない淋しさが胸の内で澱み冷めゆくあなたと呼べない名前を何度も飲み干し渇く躰錆び付く指がなぞる肌は粟立って易く震える視界が眩むほど一途にあなたの愛を求めている何もかも束の間の幻影(まぼろし)と虚しさを抱えて踊る烈しさも劣情も充たされないこころを暴いていくだけ確かな絆も持たないから酷く濡れた夜に眠れば少しでも夢を見られる目覚めたあとの光の中で黒に染まる私を抱いて愛された腕の中口吻けをそれさえ叶わないのなら遠ざかるぬくもりを撃ち殺す堅い引き金を引いて最後のあなたを抱き締めたい PR