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夏の少年

まぶたの裏側に絶えずある
夏空はうすみどりの色をしている
ちりちりと焼け焦げた道の上で
少年の面影がわらっている
いつも
いつも
知らない人のように

この胸があこがれに気付く頃
夏空は立ち尽くす驟雨の日
はばたいて鳥になる 星になる
あなたの消せない傷になりたい

いつか
いつか

こころを貫く歌のような
秋風が肌をそっと逆撫でている
うすあおい夕暮れのあとの空
少年の面影が滲んでいる
いたい
いたい
憶えたてのかなしみ

いつの日もこの胸を締め付ける
六弦はあまくて烈しい調べ
鏤めた想いごと掻き鳴らす
指先のささくれに血が浮かぶまで

遠く遠く
去りゆく光
あなたの閉じたまぶた
影差す瞳をただ
濡らすもの

この胸がなぐさめに触れる頃
夏の日のおもいでに蓋をする
はばたいて鳥になる夢を見た
あなたの傷痕にくちづけを

いまは
そっと


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