サナトリウムの庭で そっと包まれていた 赤い宝石のような 木の実越しにキスした 木漏れ日の下 隠れて あなたとわたしの事を 咎める人がいようと 後戻りできない場所へ あなたを浚いたかった 強い風が吹き付け あなたの帽子を飛ばし 追いかけていく背中の 儚い重さを信じた 森の奥で歌った 小鳥たちのさえずりと あなたの歌声だけが わたしの世界の音楽 ほころぶ蕾のような あなたの小さな胸に 抱えられた痛みならば わたしが奪いたかった いつか二人が生きた 証を世界に刻もう 怖がるくちびるさえ 与えあう歓びに変えて PR