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そして空の燃え墜ちる間に

やさしい夢を見ていた
星が落ちるほんの少し前
あなたは微笑んで私の手を取り
私はあなたの髪にそっと触れた
ピアノは私の胸を踊らせて
ヴァイオリンはあなたの脚に羽を授けた
あなたのステップに寄り添って
私は軽やかに導かれるように
煌めく星空の中を舞った

指先を包むあなたのぬくもりは
ふたりの軌道を鮮やかに照らし
こぼれる星屑は唇の上で弾けた
その輝きに戯れるようにキスをして
まばたきさえ躊躇われるほどに
宝石のような双眸に酔いしれた

星々の鈴の音がステップに合わせて響き
「静かにしないと怒られるわ」と
笑う私の頬を指先が撫でて
「かまいやしないさ」と
あなたは天使のように微笑んでいた

天の川のほとりで
喉の渇きを潤すふたりに
流れ星はキャンディを降らせた
口に含んだ甘さはまるで恋のようで
しあわせと歌うために
やさしいあなたの肩に凭れた
ピアノはふたりの呟きに寄り添い
ヴァイオリンはふたりの傍らに寄り添って
星の鈴はふたりの月のイヤリングを
チリチリ鳴らして祝福をする
爆ぜる星屑を互いの唇で弄んで
対の宝石が私を捉えるのを
まつげを震わせて歓びにした

やさしい夢を見ていた
星が落ちるほんの少し前のこと
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