花冠 幼い夢を語り合った 小さな丘の上で 摘んだ花の名前も わたしは知らなくて あなたの頬を濡らす朝の 何気ない眩しさが 甘く胸を刺して 切なさを知ったの 優しい嘆きを腕に抱えた あなたの強さを信じ過ぎていた 荊棘(いばら)をそっと解くように 涙を拭えたなら 青い鳥も硝子の靴も 此処には無かったけど あなたが笑うから しあわせに思えた 祈りの花ひとつ咲いて あなたに届けば 過去のすべてがきっと 報われる気がして 満天を染める暗澹(やみ)の彼方で 一条(ひとすじ)の星を見つけられたの 泣かない朝を迎えに行く ふたりきりの未来でもいいわ 花冠をあなたに かけてあげよう 花束をふたりに 贈ってください もう何も言わずに傍にいて ねぇ 睡りに落ちるの 怖くないから 淋しさよりも深い心で 触れ合う臆病さを赦そう 結んだ指に残る強さで わたしは生きてゆけるわ PR